生きられた家での在廊日記(2022.5.21)

生きられた家での在廊日記(2022.5.21)

2022年5月23日

5月21日(土)雨・くもり

家を出た頃は小雨だったが練馬駅を降りたら激しい雨。

練馬の家で会場準備をして来場者の方に書いていただいた感想ノートを見ていたらいい気分になってきた。少し紹介したい。

「玄関に入った瞬間に、花の光をうけた気がしました」

「回転の写真がそこに入っていった気持ちを感じさせました」

「これからなくなる、生まれ変わる前の一瞬の場、空間、とてもおもしろかったです」

感想ノートは一階八畳間に置いてある。この部屋には後藤繁雄さんの音の作品と大谷陽一郎さんの絵画作品が展示されている。音の作品は1990年代に後藤さんがインタビューしたテープをダビングしてループさせたもの。水木しげる、大野一雄、田村隆一など、今生きている人はいない。この家に住んでいたおばあちゃんと同じくらいの年齢だろうか。絵画作品は床の間に設営した。前からそこにあったように馴染んでいる。作品と気づかない人もいるのではないだろうか。テープの声を聞いていると、この部屋で行われた会話だと思う人もいるかもしれない。誰も座っていない四枚の座布団と座卓、ひょっとしたら見えていないのは私だけなのかもしれない。

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