生きられた家での在廊日記(2022.5.29)

生きられた家での在廊日記(2022.5.29)

2022年5月30日

最終日、晴れてよかったですが、めちゃめちゃ暑い。冷房のない、窓を開けた部屋にいると子どもの頃に経験した夏を思い出す。

それはさておき、昨日、安直に異形と書いたのが気になっていた。書いたそばから気になっていた。異形とはどういう意味で書いたのか?私の中には二つの意味が存在する。

一つは、いわゆる綺麗な作品、網膜に訴える作品とは異なるものという意味。もう一つは、私とあなたは異なる、あなたと誰かと違う、みんなはみんなと違うということ。言い換えればOne And Onlyということだ。私はどちらの意味においても異形でいいと思う。

考えてみれば、児嶋、松井両者の作品じゃなくとも、伊東さんのPhoton、光の粒子たちも異形だし、NEMUIBOYZの速書も異形だ。展覧会自体も異形かもしれない。

話はそれるが、昨日は知り合いのピアニストがおばあちゃんのグランドピアノを弾いてくれた。おばあちゃんのピアノが鳴っているのを初めて目撃した。ピアノから発せられた音が高い天井に向かって上っていくのを目撃した(と思う)。まるで作品Photonの光の粒子それぞれのキャラクターに音が宿った瞬間に立ち会ったかのように思えた。

私がやれることはこんな風に展覧会で何かを人に伝えることなのかなと思う。私の記憶を通したことを次の展覧会でも伝えていきたい。ある意味、身体が楽器で、それを鳴らして音が楽しそうに上っていく様を見られたらいい。