生きられた家での在廊日記(2022.5.28)

生きられた家での在廊日記(2022.5.28)

2022年5月29日

展覧会最後の土日のせいか来場者が多かった。家主のみおさんの小学校時代の同級生ご家族。後藤さんのゼミ生(元、現)。NGOプラスで知り合った仲間。スーパースクールの生徒(元、現)。リユニオンの声があちこちで聞こえ、親戚の集まりのような光景にも思えた。

一階の二間続きの、襖を開けておいた部屋がまさに親戚の集まりの時の定番の光景と言える。今日来場した方からもそんな感想を伺った。

同じ二間続きの部屋でも二階のそれは全く雰囲気が異なっている。それは一階が七、八年前まで使われていたのに対して、二階は三十年超使われていなかったからかもしれない。誤解を恐れずにいうと二階の特に二間続きの部屋は廃墟のように思える。

その二間には異形な作品が展示されている。

床板が剥き出しとなった六畳には児嶋啓多さんの3Dモデルをキャンバスにプリントした作品が設置されている。全てこの家で撮った写真を素材にしていて、細かく見ていくと一階で見たようなダンボールやこけしが写っている。それを背景に異形な物体が見える。

床の間つきの八畳間には松井祐生さんの写真と映像作品が設置されている。写真と書いたものの写真の上にペイントされたもの、写真と写真をつなぎ合わせたものが天井から床まで伸びていて、写真群が異形。

二つの作品とも異形と一言で書いてしまったがその印象はおそらく誰が見ても同様な異形ではないはず。昨年、銀座奥野ビル306号室(19平米しかない!)の展示では、両者の作品が一度に見えてしまうのが、いい意味でカオスではあるのだけど、個人的には一つ一つ見て欲しいと思った。今回はそれが実現できてよかった。

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